あらゆるものがデジタル化されていくこの世の中において、
やっぱ便利でラクなほうに行きたいっていうのが人間ってもんだ。
撮ってその場ですぐ見れたほうがいいじゃん、
わざわざ街の写真屋さんに現像に出すのはメンドーじゃん、と。
ぼくだってマニュアルの一眼レフよりコンパクトカメラのほうがラクじゃん、
っておもっているもの。
で、ぼくが考えているのは、
デジタルと銀塩をひとつの写真として比べたり、
良し悪しを判断するよりも、いっそうのこと、
両者はまったくのべつモノとして捉えるということ。
べつに、デジタルは写真ではない、
とまでは言わないが、それでもぼくからすると、
アレは写真というよりかはむしろ画像、
もっと言えば静止画像のように感じる。
でも、それで満足しちゃうんだよね、いまの人は。
これだけ、テレビやパソコン、DVDの画像に慣れちゃっているんだから。
結果としてその画像を写真と称しているワケで、
それならそれでもいいけど、
でもやっぱり、たとえばぼくが撮っているモノクロネガや
カラーポジとはまったくべつモノである。
あれはちゃんと血がかよっているのである。
もっとも、ぼくが言いたいのはあくまで一般としての写真で、
この話にプロだとか仕事の写真のことも一緒くたにしちゃうと話がややこしくなる。
仕事においてはデジタルだからこその需要があるのもわかるし、
ベラボーに高い機材や機械を使えば銀塩と変わらない、
いや、それ以上に美しい写真がと撮れるのも知っている。
ぼくの場合、いまのところ銀塩だけでもじゅうぶんだが、
ぼくだっていつかデジタルをはじめる可能性はないとも言えない。
ただ、銀塩が存在するかぎりは銀塩で行こう、
という心構えくらいは持っている。
だからフィルムメーカーさんには
銀塩を良さをひろげることで悩んでいるよりも、
とにもかくにもなんとかいま以上、
フィルムの値段が上がらないようにすることを
がんばってほしいというのがぼくの本音だが、ん?
そうするためにはやっぱふたたび銀塩の普及率が上がらないとダメというワケか……。
まあ、この話は尽きることないし、
もっと言いたいことはあるのだが、
こんな時間に独りでアツくなってもしかたがないし、
だいたい今日はほんとうはもっとくだらないことを手短に書くつもりだったのだが、
いきなりしょっぱなからつまずいた。